既読スルー。

ももの笑顔が懐かしくて、
私は、くすりと笑ってしまった。

「ね、今村さん。なに見てるの?」

近くにいた、岩城さんが話しかけてきた。

「あ、えと、twitter。ももの。」

久しぶりにもも以外の人と、会話をした。

声のトーンが少しうわずる。
それになぜかつっかかってしまう。

「あ、ほんと。ももちゃんだー!」

岩城さんはなにも気にならなかったようで、私のスマホの画面を覗いた。

「ももちゃんと仲良いよね、今村さん」

「うん、幼なじみ。」

「そっかー!いいなぁ、あんな子が幼なじみなんて!」

そう言われても不思議じゃないくらい、
ももは、素敵な子だ。

それは誰にでも、変わらないことだった。

「でもさぁ、そんな子が隣にいると、プレッシャーっていうか。引け目感じちゃうなぁ」

ふふっと笑いながら、そう言われた。

「私に不釣り合いすぎるなぁ、とか」

その言葉が、何故か重くのしかかる。

「私なんかでいいのかな?とかね」

耳に響く。胸にひっかかる。

うるさい。痛い。

「まぁね」

私は、それだけ言うのがやっとだった。

「ううん、今村さんは前髪であんまりみえないけど、すごい美人だよ」

「え、いや、そんなことないよ」

褒められるのなんて、慣れてない。

お世辞とわかっているのに、顔があつくなる。

「ほんとだってー!あ、じゃあね!」

今村さんは、他の友達に呼ばれたようだった。

たたっと、向こうに走っていく。


私にはまだ、あの言葉が残っていた。


なんだろう、これ。

痛い。