「長荒キセキといいます。
あなた、くそおん…鈴村さんをしってますか?」

俺は客名簿をみる。


ああ、こいつがむっちゃ貢いでくれる女の名前か。

何でも完璧なうえ、長荒家の御曹子。

長荒家なら、こんな情報収集も簡単だろうと、すぐに納得できる。

「お坊ちゃんが、ここになんの用でしょうか?」

「お兄ちゃんに見て欲しいものがありまつ。」

…噛んだな。坊ちゃん。

すこし笑ってしまう。