ボケではない。

なぜなら、キセキも、それを『聞いて』いるっぽかったからだ。


ざわ…と木はゆれる。


「よかったね、おおおじさん。」



悲しい笑顔をキセキは向ける。

「…ああ、いい人が…たくさんいた…人生でした。こんな機会も与えて下さって…お天道様はよかものですね…。」


そのとき、何故かキセキは、まゆをとがらせ、目の光を強くした。