もう人気者には恋をしない

 ベッドに腰掛けて、パラパラと見返してみた。

 あはっ。今こうして見ると、絵も文章も結構雑だなぁ。

 読むにつれ、記憶がハッキリとよみがえってきた。

 女の子が危険と言われている森にうっかり入ってしまい、そこで森をさまよい続けるクマに出会ってしまう。

 すごい怖がっていた女の子だったけど、実はとても優しいクマさんだとわかった。

 女の子はクマさんに会うたびに、徐々に心を開いていった。

 そんなある日、病気にかかってしまったお母さんを助けるために、女の子は森の奥深くにある薬草を取りに行く。

 けど、森の奥はうっそうと茂っていて、女の子はなかなか勇気が出なかった。

 それを知ったクマさんは一緒に行くことにした。

 怖がる女の子をクマさんは励まし続けた。二人でいろんな障害を乗りこえて、やっと薬草を無事に手に入れることが出来た。

 お母さんの病気も治り、女の子はお礼の気持ちを込めて、クマさんにキスをした。

 すると、クマさんが人間の姿に変わっていった。悪い魔女の呪いでクマの姿に変えられていた、国の王子様だった。

 元に戻ることが出来た王子様はお城へ帰り、魔女からお城を取り戻すことが出来た。

 その後、王子様と女の子は結婚して幸せに暮らしました……

 そうそう、こんな話だったぁ。