もう人気者には恋をしない

*


「はぁ……やっと出れたぁ」


 私とクマさん(後藤先輩)は、ようやくお化け屋敷から出ることが出来た。

 うわぁ眩しい。久しぶりに明るい所に出ると目がくらむ。


「やったね、映見ちゃん♪」


 クマさん(後藤先輩)とハイタッチした。


「ふふっ、ありがとうございます」

「こちらこそ。
 ごめんねぇ。怖くないようにするって言ったのに、結局怖がらせてばかりだったねぇ」

「あ……でも、今までのお化け屋敷の中で、一番楽しかったです……」

「ホント?」

「はい。えーと……
 クマさんと一緒だったから」

「アハッ、僕も楽しかったよ~♪」


 ホントは『先輩と』って言おうと思ったのに……先輩がクマさんになりきってるから、つい『クマさん』って言っちゃった。

 そうじゃなくても、照れくさくて言えなかったけど……