もう人気者には恋をしない

「どれどれ?
 ………………うーん………………」


 クマさん(後藤先輩)は、まじまじと井戸を覗きこんでいる。

 なんか……あの姿で覗いてると、クマさんもお化けみたい。


「あの……どうですか?」

「……なぁんだ。貞子ちゃんもなーんも入ってないよ!」

「あ、そうですか。はぁ~良かったぁ。じゃあ、ただのセットだったんですね」

「そうみたい」


 いかにもってセットなのに、何もないなんて……逆に拍子抜けしちゃった。


「さ、安心したところで次に行こう♪」


  クマさん(後藤先輩)が先に扉へ向かった。


 ガタッ……


 ……ん?後ろから少し物音がしたような……


 私は、そっと振り返った……


「ガァァァァァァ!!」

「っ!!いやぁぁぁぁぁぁ!!」


 ゾッ、ゾンビ!!ゾンビが抱きついてきた!!回りにも何匹かいるし!!


「サッカーを~……
 サッカーをさせろぉ~~!!」

「何言ってっ……ちょっと!はなしてぇ!!」


 ドン!


 私はゾンビを思いっきり突き飛ばした。


「須藤さん!?どうしたのっ!?」

「せっ、先輩助けてっ!!ゾンビッ!!ゾンビが抱きついてきたんですーっ!!」


 無我夢中でクマさん(後藤先輩)に詰め寄った。


「ちょっ、落ち着いて!もう去っていったよ!ほらっ!」


 先輩の言う通り、役目を終えたゾンビ達は、不気味な声を発しながら幕の中へと消えていった。