もう人気者には恋をしない

 幕の中に入ると、目の前に扉が。

 開けたら最後……って感じ。

 そして隣には、一緒に行くことになったクマさん。中の人はまだ言葉を発しない。

 気まずい……ホントに誰?背は高いけど……あの、ゴリラみたいな部長さんだったりして。

 うーん……しょうがない。
 これはもうクマさんだと思って接しよう。

 私は、思い切って話しかけることにした。


「あのっ、クマさん。私……こういうのすごく苦手なので、その……どうか、よろしくお願いします」


 クマさんは私の方を向き、首が落ちないように頷いた。

 すると率先して前に立ち、扉を開けた。

 うわぁ……怖ーい。中は真っ暗に近いよ。明かりは、ボンヤリとついているぐらい。

 どっ、どうしよう……やっぱり帰りたい。

 思わずクマさんの背中を掴んでしまい、足を止めてしまった。


「あ、ごめんなさい!つい、怖くて……」


 私が本音を漏らすと……
 クマさんは、そっと私の頭を撫でた。

 その撫で方がとても優しくて、思わずドキッとした。

 私……なんでクマさん相手にドキッとする?中身が誰かも知らないのに。

 恐怖のあまり、精神的におかしくなったのかな……