もう人気者には恋をしない

「きょ、今日は……どうされたんですか?
 いなかったので、お休みかと思いました」


 スケッチブックを拾いながら、平静を装って訊いた。


「あぁ、今度の文化祭のことでキャプテンと話し合ってたんだ。
 で、それが終わって、今から練習に参加するところ」

「そうだったんですか……」


 ……ちょっと待って。

 なんで私……後藤先輩に会えたと思っただけで、心がホッとしたんだろう。

 そのことを見透かされてしまいそうで、
 うまく目も合わせられない。