もう人気者には恋をしない

「帽子はそのまま森へ。
 女の子も森へと入っていきました。
 森の中を歩いて行くと、茂みの奥から大きなクマさんが!
 女の子は、怖くて動けなくなってしまいました。
『あぁ、私……きっとこのクマさんに食べられちゃうんだわ……』女の子はシクシクと泣き出しました」

「食べちゃダメー!」


 小さな女の子は、必死に叫んだ。

 絵本に、すごいのめり込んでる。


「クマさんは、ゆっくりと女の子に近づきました。すると……女の子の頭にそっと、何かを乗せました。それは、女の子の帽子でした。
『怖がらせてごめんね』クマさんはそう言って、また茂みの奥へと消えていきました」

「そうかぁ、クマさんは帽子を取り戻してくれたんだー。優しいね!」

「でしょう?

 優しいクマさんと知った女の子は、『怖がったりしてごめんね』と、申しわけなく思いました。
『また会えたら、ありがとうって言おう』女の子は森から出て、家へ帰りました」


 ……ヤバいな。かなり聞き入ってしまってる。

 思ってたより、優しくていい話だな。