もう人気者には恋をしない

「ふーん。ただの友達にしては、ずいぶんと親しくしてません?」


「そんなことないですよ、普通ですよ」


「怪しいなぁ~」


「なんなんですか。もう、ちょっと重いですって」


 今度は相葉君に絡みだした。

 さっきまでの怖い雰囲気は、何だったんだろう……ていうぐらい、やわらかい雰囲気になった。

 それに、この絡みっぷり。うちのお父さんが酔っぱらった時に似てるー。

 背が高くて、スタイルも良くて。
 見た目はこんなに爽やかな人なのに……
 なんか、オッサンみたい。


 と思ったら、吹き出してしまった。


 二人が不思議そうにこっちを見る。

 いけない、つい……


「ごめんなさい……先輩があまりにもおかしくて。ふふっ」


 もうダメ。ツボっちゃった。

 私ってば、失礼じゃない。初対面の人をオッサンって思うなんて。


「良かったですね、先輩。おかしいって」


 相葉君が言うと、先輩は「うるさいっ!」と言い返し、頭を軽く叩いた。


「お前、カワイイ顔してるクセにムカつく。サボった罰も兼ねて、今からグラウンド10周してこい」


「えー何ですか、その言いがかり。嫌ですよー」


「先輩の言うことが聞けぬのかぁ!早く行けぇ!」


 相葉君を思いっきり突き飛ばし、走るように促した。


「もう……わかりましたよー。
 じゃあね、須藤」


「あ、うん。ごめんね相葉君」


 相葉君、素直ー。ヤレヤレと言いながらも、本当にグラウンドの周りを走り始めた。