「それで、娘さんは…?」

「あちらです」

女性が指した先には私たちと同年代くらい…たぶん17歳だろう女の子が寝かされていた。

「もしもし、聞こえますか?」

フォーンが呼びかけるが反応がない。これはかなりの重症と見て良さそうだ。

「リディ、持ってきた?」

その問いに頷くリディ。鞄の中をかき混ぜては次々と物を出していく。
ろうそく、マッチ、瓶に詰められている白い粉、黒く小さい器、最後に出したのは薄い布だった。