「痛いな。もうちょっと優しくできないの?」
私に飛びかかってきた男は私をクッションにしたから怪我もないだろう。
まったく。女を犠牲に助かろうなんて、不届きな男だ。
男は腹這いの私の背に跨り、肩をコンクリートに押しつける。
逃げられないように、かな。地味に痛い。
「もう逃げられねえぞ?」
背中の男が言う。ガソリン臭い男もこっちに来た。
「ガソリンなんかかけやがって! ふざけんな!」
「っ!」
ガソリン男に左手を踏みつけられる。ライターを持っていた方。手を離してしまったけれど、きっとしょうがない。
「もうすぐ仲間が集まってくる。それまで大人しくしていろ」
耳もとで囁かれた。気持ち悪い。不愉快だ。
男の言った通り、少し待てば特攻服を着た奴らが集まってきた。


