バーのドアに手を触れた。 ぞわり。 その瞬間背筋に悪寒が走った。 嫌なことが起こる予感。 ……中で何かあったのだろうか。 それともこれから何かあるのだろうか。 少し考えて首を振る。 そんなのどちらでもいい。 とりあえず仕事を完遂させなければ。 この仕事を選んだ以上失敗は許されない。 運び屋は信頼が命だ。 私は用心しながら、そっとドアを開いた。