「君丈夫だよね。頭叩いた時殺しちゃったかと思ったけど、こうして生きてるし」
「……」
「本当は頭を叩くつもりなんてなかったんだよ。だけどいきなり立ち止まるから、狙い逸れちゃった」
死神は一人で話し続ける。
私は黙って考え続ける。
死なないための算段を。
「俺ね、この仕事で失敗したことないんだ。
それが君みたいな女の子に逃げられただなんて、本当に笑える」
だから、私は殺されるの?
嫌だ。死にたくない。
「ああ、このバットは君を殺すための物じゃないから。俺、ナイフで人を刺す感触が堪らなく好きでね」
男はバットを投げ捨てた。そしてポケットから果物ナイフを取り出す。
あれで刺されるのか。
……痛いんだろうな。
痛いで済めばいいけど、死ぬのは嫌だ。


