運び屋の受難


「本当、バカだと思うよ。
だけど目が覚めたんだ。俺がどれだけ待とうと、トオルはもう戻ってこないってわかった」

遠山さんが何かをトオルさん目掛けて投げた。
木の床に転がるそれは手錠だった。

…今更だけど、ここはどこなんだろう。

「トオル、それを…右手とその柱につけて」

銃口は私に向いたままだ。
トオルさんは暫し動きを止めた後、面倒臭そうに遠山さんの指示に従った。

「これでいいのかな」

トオルさんは、手錠で柱と繋がれている。
遠山さんはそんな姿を見て微妙な表情を浮かべた。