運び屋の受難


「俺の玩具に手を出すな」

トオルさんが低い声で言った。
いつもの薄い笑みじゃなく、明らかに不快そうな顔で。

「どうして? 今まではどんな玩具でも、俺に譲ってくれてたじゃん」

「何故かなんて決まってる。
お前より、ハルちゃんの方が大切だから」

再び発砲された。
次は弾が左肩に当たる。

ちらっと見えた遠山さんの横顔に、もう笑みはなかった。