運び屋の受難



赤ワインを口に含んだトオルさんは、少しだけ饒舌になった。


「俺が気に入った玩具はすぐ壊れるんだ」

「ふーん」

「昔からそうだった。俺の扱いが悪いんだけどね。気に入った玩具ほど壊したくなるんだ。
大抵そのまま壊れる。物であれ、人であれ。
なのに君は傷付けても壊れない。俺を恐れない。
だから俺はどんどん君を気に入っていく」

「……」

にっこりとそう伝えてくる。

私が私でいる限り、追う者と逃げる者の関係は続いていくということか。

私の未来はなんと輝きに満ち溢れているのだろう。皮肉だけど。