運び屋の受難


「トオルさんに会いたくて」

「え?」

「夕方はありがとう。おかげで仕事を無事終了できたよ」

夕方、トオルさんが現れて手塚さんは彼を追いかけた。
そのおかげで私は何も怪しまれることなく、仕事を遂行できたわけだ。

そのお礼はしておかないといけない。

「ああ、そのこと。別に構わないよ。
てかそもそも、手塚くんが君のもとに行ったのは俺のせいだしね」

誰かのせいで自分が不利益を被るなんてよくあること。それこそ気にする必要もないくらい。

だけど誰かのおかげで助かることはそう多くない。原因は何であれ、感謝を忘れちゃいけないと思う。