「大神待て!」 手塚さんが叫ぶ。トオルさんは待つわけない。 手塚さんは苦々しい顔で舌打ちをして、財布から二千円を取り出してテーブルに置いた。 「いきなり誘って悪かったな。金は置いとくから、お前はゆっくりしていってくれ」 早口でそう言い、手塚さんも店から出た。トオルさんを追いかけたのだろうな。 私は一人、コーヒーを飲み干した。冷たい。