運び屋の受難



「ふー、さっぱりした」

一瞥すると、トオルさんは爽やかな笑みを浮かべていた。バスローブを着ていて、それが妙に似合っている。

私はそんなトオルさんに大した興味を持つこともなく、画面に視線を戻した。

「何してんの?」

ベッドに座る私の隣に、トオルさんは腰を下ろした。

「別に」

返事になってないなと思いながら、携帯をポケットに入れた。
仕事の内容に関することだから、誰かに見せるわけにはいかない。

「今窓見たらさ、手塚くんまだいたんだけど」

「もうすぐ着いてから30分なのに」

諦め悪いなぁ。でもそれだけ真剣にトオルさんを追っているということか。