「んで、なんだっけ。俺を追いかけてた奴の話だっけ?」
頷いた。そこまで強い関心はないけど。
「暇つぶしに質問に答えてあげよう。
さっきの男の人は警察。手塚修っていう人で、ひたすら俺を追いかけてくる元同級生」
「警察!?」
「組織の人間としては迷惑な奴だよ。ひとつのことにしか集中できない。
俺を追いかけることが手塚くんの最優先事項みたいだから、俺を見かけたらどんな事件の最中だろうが追いかけてくる。
迷惑極まりない男だよ」
「そんな人ならここにも来るんじゃ…」
私はまだ捕まりたくない。死神ことトオルさんといるせいならとくに嫌だ。
それに私も合法的な仕事をしているわけじゃないから、余罪はたくさんある。
ーーという不安を、トオルさんは笑い飛ばした。
「それはない。大丈夫。
手塚くんは超純情な童貞だから、ラブホなんて入れないよ」
トオルさんは、何回かここに逃げ込んだこともあるし、と付け足した。


