運び屋の受難



「お電話終わった?」

誰かの声が聞こえ、鳥肌が立つ。
容量の割に中身が少ない私の脳は、出会った人の顔と声と名前は忘れない。

……この声はさっき聞いた。


「っ!」

弾けるように逃げ出した

つもりだった。


いつの間にか隣にいた青年に腕を掴まれていて、その場から逃げ出すこともできなかった。