運び屋の受難


「今日は手出さないからさ、一緒にいてよ。一人でホテルから出て行くなんて情けないじゃん。ね?」

「……絶対?」

「絶対」

「なら、いいけど」

それさえ約束してくれるなら、別に逃げる必要もない。

もう逃げないから手を離して、と頼んだら、力は少し弱まったけど、抱き締められたままだった。