こういう時、普通の彼氏と彼女なら、きっと信じられるものがたくさんあるんだろうな。 絆、とか。 一緒に行った場所とか、ちょっと未来の約束とか、重ねてきた時間とか。 私と龍也君の間には、何もない。 だからもう他の人の言葉には耳を塞いで、龍也君の言葉だけを、信じたかったのに。 『俺もさっさとやめてーに決まってんだろ。 大嫌いなんだよ』 涙が出そうになって、ぎゅっと顔をこすった。 龍也君。 私、どうしたらいいの?