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予鈴が鳴ったので、さすがに彼の背中を揺らした。

完全に爆睡している。



「龍也君、起きて起きて!」

「あー…………?」


まだ半分寝ぼけている。


「龍也君、朝だよ! というか昼だよ! もう授業だよ」

「ん?」


すぐ真上に私の顔があったのに驚いたのか、大きく目を見開く。


「え? あ、ひなか。おはよ」

「おはよう」


少しくせになった髪の毛を直しながら、彼は起き上がった。


「うーん、なんかけっこういいな膝枕。有益な時間だった」

「あはは、そうなんだ」


龍也君はぐーっと背伸びする。


「めんどいけど、教室戻るか」

「うん」


自然に手を差し出され、つい繋いでしまった。


……こういうの、やめてほしいのに。
嬉しいけど、期待してしまうから。