「えっ?」 龍也君は一瞬困ったような表情をしたあと、優しく微笑む。 「俺の前では我慢しないで泣いとけ」 「……うん」 そう言われると、どんどん涙が流れてきた。 何が本当か分からないの。 色々不安で、たまらなくて。 彼のことを、どこかで信じられないと思ってしまう自分も嫌で。 だけど今私のことをぎゅっと抱きしめてくれている龍也君は、とてもやさしい人。 それだけは絶対に本当だから。 保健室の白いベッドの上で、泣いている間中ずっと。 龍也君は大きな手で、私のことを抱きしめていてくれた。