私ももさもさとおまんじゅうを食べながら、彼に質問してみた。
「龍也君、先生嫌いなの?」
さっきの話、引っ張らないほうがいいかと思ったけれど、やっぱり気になる。
一瞬迷った様子を見せたけれど、龍也君は話してくれた。
「うちの担任も嫌いだけどな」
「Fクラスの先生、厳しそうですよね」
Fクラスが荒れているからっていうのもあるけど、体育会系のかなり怖い先生が担任だ。
「厳しいなんてもんじゃねー。なんかあったらすーぐ殴るし。
ゴミゴミゴミーだよ」
何それ?
少し迷ったように眉を寄せて、龍也くんはぼそっと呟いた。
「それもあるけど、俺の親二人とも教師なんだよ」
「えっ!?」
驚いて、数秒かたまって。
「えっ!?」
もう一度驚いてしまった。
教師って、先生だよね。
両親二人とも!?
「別の高校の教師だけど、そのせいで勉強しろ勉強しろ言われて、昔は割りと優等生やってた」
「龍也君、優等生だったの?」
「あぁ。母親なんか特に教育ママそのものだったからな」
「そ、想像つかない」
そっかぁ。
そうだよね。
龍也君だって、生まれた時からヤンキーじゃないんだよね。
当たり前かぁ。
でもお父さんとお母さんもヤンキー寄りなのかと思っていた。

