龍也君と付き合うことになってから数日。



以前と変わったのは、透さんにからかわれるのがさらに多くなったことくらい。


教室に龍也君を迎えに行くと、透さんは不満そうに頬をふくらませた。


「あー、残念だなー。普通にうまくいっちゃって。
龍也に飽きたら、いつでも俺の所に来ていいからね?」


そう言いながら彼はつぅっと私の背中をなぞる。


「だからやめてくださいって!」


結構本気で殺意がこもった眼差しで、龍也君は透さんを睨んでいる。


「お前ぶっとばすぞ」

「へぇ、いいのかなぁそういう態度をとって。
龍也のケンカを隠してあげたのに。
退学にならなかったのは誰のおかげかなー?」



相変わらず、仲がいいのか悪いのか分からない二人の会話は見ていてすごく面白い。

私はそんな二人を見ながらくすくす笑ってしまう。