その反動で龍也君は、後ろに倒れてしまいそうになる。
「どんな髪型でも、どんな服装でもいいよ」
抱きしめた場所から、彼の鼓動が伝わる。
「龍也君なら、なんでもいい」
彼は愛おしそうに、私の頬を撫でる。
変わらないまっすぐな瞳で、じっと私を見つめる。
他の何が変わっても、このきれいな瞳だけは一緒だ。
それだけが、私の信じること。
「ひな、好きだ」
その言葉に、涙があふれる。
「……うん」
ずっと会いたかった。
ずっと触れたかった。
ずっと、こうして見つめてほしかった。
今度は夢じゃない。
あぁ、もう私、ずっと。
龍也君に、ひなって呼んで欲しかった。

