昼休み、私はえみと屋上で話していた。


「あいつ、入院してるんだって?」

「うん……」



結局あれから何度か病院に行ったけれど、容態が悪いらしく顔を見ることすら出来ていない。


こうやって青い空の下で、平和な光景を見ているともどかしくてたまらなくなった。
私は近くにいたって、結局何もならない。


その時お医者さんに少し聞いた話だと、幸い龍也君の命に別状はないらしい。


――だけど、まだ意識が戻らない。


病院に運ばれてから、一度も目を覚ましていないらしい。
その言葉を思い出すたび、後悔で胸が潰れそうになった。


「どうしよう、このまま龍也君が死んじゃったら」


泣きそうな声でつぶやくと、えみが励ますように言う。


「大丈夫だって。まだ二日しかたってないでしょ? 焦っちゃダメだよ」


えみの声を聞いて、少し心が落ち着いた。

「……うん、そうだよね」


「一応ただの病気で入院ってことになってるらしいけど。
学校も、薄々分かっていながらあんまり大事にはしたくないみたいだね。
あいつ元々危ないことばっかりしてたし」


ケンカのことは、どうやら透さんが頑張ってうまく隠してくれたみたいだ。
確かに下手をすると警察沙汰になっちゃいそうだったから。


ボロボロになって倒れていた龍也君を思い浮かべると、罪悪感でいっぱいになった。


「私のせいだ」