罰ゲームでヤンキー君に告白されました。




透さんは近くのカフェに入って、クレープを買ってくれた。

この人、甘いものを買えば何でも許されると思ってるんじゃないのかなぁ。

あーあ、簡単なやつって思われてるんだろうな。
不本意ながらも、いちご生クリームがおいしかったので話を聞いてしまう。


「まぁ龍也も色々戦ってると思うからさ」


彼はそんなに甘い物が好きではないらしく、紙カップに入ったコーヒーを飲んでいる。


「透さんは昔の龍也君のこととか、哲真さんって人のこととか知ってるんですか?」

「なんとなくはね。
といっても俺も高校に入ってからあいつと会ったし、聞きかじった話だけど」


そう前置きしてから、透さんは自分が知っている昔の龍也君のことを教えてくれた。


「あいつ中学の時、今よりもっと荒れてたんだって。
夜中飛び出して、毎日ケンカしてたって。
けっこう強くて、かなり無茶してたこともあったらしいけど」


なんとなく想像がつくような気がした。


自分でも話していた。
中学の時、親に見放されてから荒れていたって。
きっと全部が思い通りにならなくて、もどかしくて悔しかったんだろう。


「すごかったらしいぜ。
かなり無敵で、誰も敵わなくて。
銀色の狼って二つ名がついたとか、つかないとか」

「は、はぁ……」

確かに龍也君、色々噂があるもんなぁ。


「だけどやっぱ数には勝てないから、大勢の仲間を集められて反撃されてぼろぼろになったことがあったんだってさ」


「そう、なんだ」

そんな話を聞くと、過去のこととはいえ心配になってしまう。