『私も、叶うかどうかまだ分からないけど……。
でも、頑張ればきっと変わると思う。
龍也君、運動神経もいいし、自分の言いたいこと、堂々といえるし。きっと何にだってなれるよ!』
彼女の姿を見て、はっとした。
あんな風に同じ年で自分の目標を持ってるひなを見て、尊敬した。
ひなの言うことなら、本当になるような気がした。
何にも持ってない俺でも。
ひなの言うように頑張ったら、何かが変わる気がしたから。
『龍也君に会えるかなって思って』
試験の日、雪の中で。
わざわざ俺に会いに来てくれたひなのことを。
――誰より愛しいと思った。
本当は、気づいてた。
だからあの日、我慢できなくなって彼女にキスしようとした。
ひなのことを抱きしめて、ずっと離したくなくなった。
『本当の気持ちに、嘘つけなくなった。
ちゃんとするから』
『龍也君が何言ってるのか、全然分からないよ!』
そうやって、中途半端なことをして。
結局、ひなも有華もまた傷つけてる。

