「ただいまー。」


家に帰ると、晩ご飯の匂いがしていた。


「お母さん、ごはん出来たら呼んで。
部屋で勉強してるから。」


お母さんは驚きを隠せずにいて、目をパチパチさせていた。


失礼な、私のだって勉強くらいするよ!
と言い返すことは出来ないまま、部屋へあがっていった。





ーーボスン



ベットに寝転び天井を眺める。



「大学かぁ…」


2人はどこへ行くのかな。

舜は地元って言ってるけど、きっと外へ出ていくんだろうな。


雅樹は、どうなんだろ?
地元に残ってくれるのかな?



ころころしながら、考えていた。





ふと、舜が持っていた東総合病院の茶封筒が気になった。


もしかして、医大に行っちゃうのかな。

舜ならありえなくもない話だもん。


そうしたら、きっと地元じゃなくなっちゃうのか。


ちょっとさみしいな…


「私が医大生には…なれないよね。」


雅樹でさえギリギリ合格ラインだと思うのに、ましてや普通科生が!

笑っちゃうよ。