男の子は目に涙をいっぱい溜めて、華蓮を睨む



「守ってくれると約束したやろっ!!
なんで………、なんでや」



華蓮は言葉が出なかった



華蓮が力を使うことを躊躇っていなかったら、判断がもっと早かったら……男の子の両親は死なずにいられたかもしれない






──私の…せいだ






そう思わずにはいられなかった



「ごめん………、ごめんね」



何に対しての謝罪だろう



この悲劇を完璧に食い止められなかったことか、力を出し惜しみしていたことか、この子にかける言葉すら見つからないことか



恐らく、全部だ






「その人を責めるのは違いますよ」



うなだれていた華蓮が顔をあげた理由は沖田の一言だった



納得がいかないのか、男の子は沖田に鋭い視線を送る




「火を放ったのは長州です
それに、蓮さんはその火を消すのに大きく尽力しました
責めるなら僕のような無力な人間か、長州を責めなさい」



「何を言ってるんですか、沖田さんは無力なんかじゃありません!」



新撰組随一の剣豪が何を言い出すのか



沖田が近藤を守りきったからこそ、華蓮たちはこうして活動できているというのに



だが、沖田は華蓮の一言に目もくれずに男の子の頭をそっとなでる



「それに責めたって、恨んだって君の両親は還ってこない
なら、これからどう生きるのかを考えなさい」





──────!!





ズバンと胸に響く言葉だった