──風の神ウェオロス



契約のもと、その力を我が手に──






頭の中でウェオロスに届くように言う



声が届いたのか、すぐにあの時と同じ風が華蓮を包み込んだ





──ザァァァ



華蓮の周りに神々しい雰囲気が立ち、瞳は群青色になる






もう、これ以上被害を出したくない



何の罪もない人々を巻き込むなんて間違ってる



そんなことをする奴らはなんとしても止めてみせる───!!!








「風よ───燃え盛る炎を吹き消し、人々に優しい癒やしを送って──」





──ブォォォオオオ



華蓮がはっきりと言い切った途端、ものすごく強くて湿った風が京の町に吹いた



ものの数秒で火は鎮火



その後に、火事で怪我を負った人たちを癒やす優しい風が吹き抜ける








ありえない、奇跡だ、と歓声があがった



業火で地獄となった京の町は、その跡を残したものの神の力によって救われた



人々の心に多少の傷を作ってしまったが、華蓮はまた歴史を変え、新しい未来を作ったのである