「そうだよ!


なあ……………蓮」




__平助君の表情が変わった?


もしかして、私の様子を見ていて、今声をかけてきたことには理由がある…?





華蓮も勘は鋭い方だ




「なに?」











「…………伊藤さんのことは、大丈夫かな?」








_____っ




正直、困っている




山南が本当は生きていることや、華蓮が女であり、未来人であり、風の神の力を持っていることは知られていないはず




それでも、同じ屯所で寝食を共にしている以上、いつバレてもおかしくない









「………今はなんとも言えない、かな」




華蓮はやっとの思いで一言漏らした




「……だよね」




藤堂も、自分が味方になると信じて新撰組に連れてきた伊藤がどうなるかは知っている




とても複雑な心情に違いない







「どうかした…?」




__なんとなく、まだ言いたいことがあるような気がする




「何かあるなら、聞くよ?」







藤堂ははぁーっと深いため息をついた




「蓮にはお見通しだなぁ……


あの、さ______







伊藤さんを味方にすることはできないの?」








__伊藤さんを、味方に!?





「どういう、こと?」




伊藤はそもそも、新撰組と考え方が違う




尊皇はしないが、攘夷には賛成してるはずだ




新撰組との考え方の違いから、いずれ分裂してしまうことは目に見えている