本命チョコレート【BL】

 
「……ッ、好きだからっ、コレ食ってさっさと帰れ!!」


 無理矢理祥太の口にチョコを突っ込み、俺は頭を抱えてしゃがみ込んだ。


「色気のねぇ告白だな」

「そんなん知るか! 帰れ!」

「拓弥」

「……頼むから、本持って帰って」


 言うつもりのなかった気持ちを吐き出してしまうと、スッキリするどころかどうしたらいいか分からない。

 俺はずっと、祥太の幼馴染でいいと思ってたから。

 それ以上の関係は、諦めていたから。


「……はぁ。帰れる訳ねぇだろ。なんで泣きそうになってんの」

「そんな事ない」


 祥太の手が優しく俺の肩を掴んで、顔を上げるように促される。

 呆れた顔をしているんだと思っていたら、祥太の顔は少し赤らんでいた。