「実はさ、ゆいちゃんに協力してもらってたんだ」
「え……っ、てことは……」
「ゆいちゃんが作るはずのチョコを拓弥に作らせて、それを俺が貰う」
「いや、そうじゃなくて……俺が祥太を好きなの、姉貴にバレてるってことだよな?」
「まあ、いんじゃね?」
「よ、よくない! これから先、それをネタに……」
最悪だ。
弟をただの都合の良いパシリか何かとしか思ってないような姉貴。
そんなヤツに一番の弱みとも言えるような事を握られるなんて……!
項垂れる俺の手を強く握って、祥太は「気にすんなよ」と言ってきた。
「俺は拓弥が、拓弥は俺が好きってことで、ゆいちゃんのことだってなんとかなるんじゃね?」
「そん……っ」
触れるだけのキスをして、祥太がはにかむ。
諦めていた気持ちが急激に膨らんで、顔だけじゃなく全身が熱い。
今が夢じゃなく、現実なんだと思い知らされる。
そうやって祥太を見ていると、本当に姉貴のことがどうにかなりそうな気がするから不思議だ。
「祥太、俺──」
「──はい、そこ! イチャイチャしなーい!」
突然響いた悪魔の声に、俺も祥太も肩を跳ね上げる。


