「なんでよ。味見くらいいいじゃない」
「それは俺が貰うヤツだから」
「……あ、そう。うまくいったんだ。なんかムカつく」
「ゆいちゃんだって彼氏にあげるチョコ拓弥のお陰でグレードアップしたじゃん」
「それとこれとは別」
幼馴染なんだから、祥太と姉貴が2人で会話するのはおかしい事じゃない。
けど、何か変だ。
俺だけ置いてけぼりにされてる。
「あのさ」
俺が口を挟むと、姉貴に睨まれた。
「チョコ、ありがとう。でも、チョコだけじゃ安いから。後でランチ奢りなさいよ」
「社会人が高校生にたかるのかよ!」
「何よ。祥太はあたしに文句なんて言える立場じゃないでしょ。寧ろお姉様と平伏して崇め奉りなさい」
「意味わかんねぇ」
「倍返しだから忘れないで」
そう言い残して、姉貴は俺が作ったチョコを持って2階の自室へと向かって行ってしまった。
「残業、無くなったのかな」
「気にするとこはそこなんだ」
苦笑いを浮かべる祥太は、少し困ったような顔をして俺の手を取る。


