「うわっ、超恥ずかしいっ。」
顔を手で覆い、耳まで真っ赤に染めるキミ。
かわいくて、いとおしくて……。
「俺、キミの名前を知りたくて中央高校の友達にきいて、あいつ、みさきって言うからさーーーー!」
「字だけだと、よく、間違われます。」
緊張して敬語になる。
私のことを調べてたんだ。
ちょっと嬉しい。
「みさ……みくちゃんといつか話したいって思ってても、お互いよく知らないから俺、話しかけたらキモいよな、変態だよなって、ひかれたら嫌だなって思って……。気づいたら2月だし!ははっ。」
しばらく沈黙。
なんて言ったらいいか分からない。
が、キミは続ける。
「そーいや、俺の名前、知ってる?」
「あ……っ、ごめんなさい。知らないデス。」
「ははっ。俺は多野昴(タノ・スバル)!みくちゃんの1個上かな!」
あ、先輩だったんだ。
私が悲しそうな顔をしているのに気づいたのか、昴先輩は言う。
「お互い、知らないこと多い分、これから楽しくなるね!」
これからっていう単語にドキドキする。
「は、はいっ!」
昴先輩は笑顔になった。
「いい返事!ははっ。」

