【短編】電車のキミへ



キミからしたら、きっと気持ち悪いだろう。


知らない人からの告白。


知らない人からのチョコ。


私でも、ちょっと気持ち悪いだろうなって思った。


でも、普段内気な私がこんな公衆の面前で告えたのは、あなたがよ知らない人だからかな。


あなたが、友達でもなんでもないからかな。


もし、失敗しても、嫌われても、あの車両に乗らないで、会わなきゃいいだけだからかな。


気持ちが楽なんだ、今。


私は、最後の言葉を笑顔で言った。





「受け取って……くれますか。」