好きと言わないで


教室に着いた私と胡桃は、先生から渡されたプリントを配り始める。

配り続ける度にクラスメイトたちからお礼を言われる。

あまりにも淡々とするこの作業は、私を私でなくしてくれる。
普段の雪城(ユキシロ)彩音ではなく、学級委員の雪城彩音。
まるで違う私。たまに違った自分に酔いしれることがある。違う私はどんな人たちからも甘い言葉を浴びる。
その甘い言葉は時に快楽に変わる。

プリントを配り終えると丁度よくお昼休み終了の鐘が鳴り担任が授業の用意を持って表れた。

その授業とはLHR(ロングホームルーム)。
小中学校でいう学活や総合のようなものだ。
いつもはクラス行事を決めたりする。
焼肉だったり、クリスマス会だったり、用は授業という名の遊んで交流しようというもの。