駅へと向かう道、キラキラとライトアップされた街がなんだか現実へと私を引き戻そうとしているように感じた。
出来ることならあのまま、夢の中にいたかった。戻りたくない現実、苦悩する日々、大嫌いな家…
私を苦しめる様々なものが私を追い詰める。
私がずっと黙っていると瀬能さんは何か覚ったのかこんなことを言った。
「彩音ちゃんさ」
「はい?」
「そんなに頑張らなくていいんだよ?」
「え?」
不意討ちだった。
何か温もりを感じたから。
いつの間にか私は瀬能さんの胸の中にいて瀬能さんは私を抱き締めている。
「ごめんね、何にもしないって言ったのに」



