好きと言わないで


木馬が動き始める。

一周して瀬能さんが見えるたびに手を振って待っていてくれる。
安心した。

だけど、安心したのと同時に昔のことを思い出した。

それは、私が幼い頃。

遊園地にお母さんとお母さんの彼氏と3人できていた。端からみたらきっと家族。
だけど、お母さんは彼氏にぞっこん。彼氏だってお母さんしか見ていなかった。
私はおまけみたいなもの。いるのか、いないのか分からないほどの。

だから、わざといなくなってみた。

私がいなくなったら、お母さんが心配してくれると思ったから。