好きと言わないで


そんなことを考えていると。

―非通知。

あ、あの人だ。

私は電話にでる。

「ごめん、はぁ、はぁ、きっと、着いてるよね」

謝罪の言葉と同時に息切れが聞こえてきた。
わざわざ走ってきてくれた…
その気持ちが暖かく感じた。

「今、着いたばかりです。」

「そ、そうなんだ…。俺、今噴水広場にいるんだけど…」

私はそう言われるとおもむろに顔を上げた。

―正面には電話をしているであろう人。

「君、もしかして髪の毛長い?」

「はい」

電話をしているであろう人は、ゆっくりと私に近づいてくる。

「じゃあ、きっと目の前にいるのは君かもしれない」

「きっと、そうだと思います。」

あぁ、何だか素朴な感じの人だ。
それに予想以上にかっこよかった。