鈍恋diary


「え…お前、本とか読むの?!」

「なっ…失礼ね!あんたに言われたくないわよ」

「悪い…なんかお前が読書とか想像つかねぇ」

こう見えて、学校の図書室常連なんだけど。

「本ってマンガとか雑誌だったり?」

「まぁ、そういうのも見るけど…推理小説が好きなの」

「へぇ…意外すぎ」

推理小説って読んでて考えるのトリックや犯人だし…結構楽しくて好き。

恋愛小説は客観的にしか見れなくて、共感できないし…

ホラーとかって想像力に限界があるのか、文字で見ても臨場感なくてダメ。

「そういうあんたは?なんの本探してんの?」

「歴史関係…戦国とか幕末の」

「ふ〜ん、その辺ごちゃごちゃしてて歴史の授業でも意味わかんなかった」

「だからおもしろいんだよ」

おもしろいかな?

親子や兄弟で争ったりしてた時代なんて、物騒なだけだと思うけど…

「本屋行くならさっさと行くぞ」

貴史君は、あたしの腕を掴んで歩き出した。

目的地が同じだからこうなるかな…とは思ったけど…