「そんなに悪い人じゃないよ?口は悪いけど…」
「そうかもしれないけど、強引すぎだよアイツ!謝りたいって言うから、史ちゃんの番号教えたのに…」
あぁ…夏帆、それ気にしてて怒ってるんだ。
あたし、別に気にしてないからいいのに…
どうせ貴史君が強引に聞き出したんだろうし…
だから余計腹立てちゃってるのかな?
「ちゃんと謝ってくれたし、お詫びするって…ケーキ奢ってもらったし、夏帆が気にすることないよ?」
「でも、余計なことまで言って史ちゃん悩ませてるし…ホント何もされてない?」
何もって…ただ、抱き締められただけで、それ以上のことはないけど…
「何もされてないし、逆に助けてもらったくらいだから」
「助けてもらったって…なんかあった?」
「ナンパだったのかわかんないけど、変な人に絡まれちゃって…貴史君が助けてくれた」
龍樹さん地面に叩きつけて威嚇したんだけど、なんとなくそれは言わない方がいい気がする。
