鈍恋diary


なんか自分で情けなくなる。

「史華?」

もし貴史君が気付いてくれてなかったら、あたし一人じゃどうにもできなかった。

力じゃ敵わないし、相手は二人もいたし…

誰も助けてくれなかったら、あたしどうなってたんだろ?

「史華…ホントごめん。怖かったよな…ごめんな」

「あ…大丈夫。ビックリしただけだから」

怖いとか考えなかったから、大丈夫…

でも、誰にも助けてもらえなかったらって考えたら…

今になって恐怖心が広がる。

「もう大丈夫だから」

「うん…ありがと。貴史君いなかったら、あたし…」

「余計なこと考えんな…ちゃんと見つけただろ?もう、あんなめに遭わせないから…史華のことは俺が護るから」

そっと頭を撫でられたら、急にいろんな感情が押し寄せてきて…

目の前の貴史君にしがみ付いてた。

「約束するから…史華を護るって。だから、ずっと俺の傍にいろ」

「うん…」

貴史君はそっとあたしのことを抱き締めてくれて…

なんかそれだけで、落ち着く。

「…史華?」

「何?」

「俺が言ったこと聞いてた?」

「うん…あたしのこと護ってくれるんでしょ?」

なんかちょっと照れ臭いけど…

「…意味わかってる?」

「あんなめに遭わないように、貴史君が一緒にいてくれるんでしょ?」

混乱してると思われてるのかな?

それくらいあたしでも理解できるんだけど…