鈍恋diary


「史華!」

手を上げて近付いてくる貴史にハイタッチ。

「何…お前反応薄いな」

「なんか感動しちゃって…」

「大袈裟すぎだろ、それは」

でも、ホントだし…

「見直したよ…さっきのはカッコよかった!」

さっきのだけじゃないかもしれないけど…

貴史君が外したのって、最初のスネークアイだけだし…

もしかして、一人で投げたらパーフェクト取っちゃうのかな?

「運が良かっただけだって…」

「そこは謙虚なんだ?」

てっきり取れて当然とか言うかと思ったのに。

「あのなぁ…」

「なんか妙に仲良くなった感じだな」

「うるせぇよ、ほっとけ」

やっぱり嫌ってるみたいに思えるけど、仲は良いんだ…

言いたいこと言い合えるのって、お互いのこと理解してないとあんまりできないもん。

「タカがアレ取るより、史華ちゃんがタカに惚れる確率のが高いと思ったんだけどな…」

「アホか…アレ取る方が楽に決まってんだろ?

史華って際どいとこで他人と距離とったままじゃん」

龍樹さんってば何言い出すのかと思ったら…

貴史君は怒るかと思ったら、冷静に答えてるし…

「手強いよな…史華ちゃん」

「龍樹じゃ無理だろ」

「何…お前なら自信あんの?」

「ない。普通に友達になるだけでも、無理かも」

一応友達だとは思ってるけど…

一応だもんね。

ホントなんで、そういうの見透かされるんだろ…