人気の少ないところに来て、
シオン様はようやく口を開いた。

「君、あの国のオヒメサマだよね。」


「な、何を仰ってるのでしょうか。
私はここの使用人リアです。」


私がリナリアだとバレてしまう訳には行かない。



とりあえず逃げなきゃ。
私は必死に逃げ道を探した。



私は持っていたほうきを
王子めがけて振り下ろした。


しかしそれは呆気なく王子様によって
阻止されてしまった。


私は強く壁に打ち付けられ、
手首に激痛が走った。

「ぃ…たい…」


眼を開けると、
そこには見たことのない目をした
”シオン様”がいた。